SHAKAのリニューアルを紐解く、過去・現在・未来
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SHAKAは2023年春に10周年を迎えます。これからも愛されるブランドであり続けるために、ブランドロゴをリニューアルし、「旅」という新たなコンセプトを掲げました。記念すべき節目に、意外と知られていないSHAKAの立ち上げエピソードから、現在計画中の新たな旅イベントまで、キーマンふたりの対談をお届けします。
ー PROFILE
Left to Right
室町聡文
SHAKAプロダクトディレクター
高校時代からスニーカーが好きで、靴業界に参入。2000年にブルームーンカンパニーに入社。SHAKAのブランド復活の立役者でもあり、現在は企画から開発までをひとりで手がける。
高橋敏郎
SHAKAマーケティングディレクター
文化服装学院を卒業し、2009年にブルームーンカンパニーに入社。2013年のSHAKAの立ち上げやブランディングに携わり、2021年にSHAKAのマーケティング部を立ち上げて現職に。
01.復刻秘話から「旅」をコンセプトに掲げるまで
高橋 : SHAKAを復刻してから、早10年です。思えば日本橋に会社があった時代に、室町がSHAKAのサンダルを思い出して。ランチに行ったときに「これ知ってる?」と見せてくれたのがきっかけでしたね。
室町 : そうだね。「昔フジロックに行ったときにこれを履いている人がいた」とか「セレクトショップに置いてあった」なんて話が出て。そういえばSHAKAってあったなと。
高橋 : 入社して1年後の2010年頃でした。このとき初めてSHAKAというブランドを認識したんですよね。今のハイカーのベースになった形で、「足が覆われているからいい」なんて話したのを覚えています。
室町 : 当時僕たちはインポーターだったから「じゃあ、ちょっと探してみようか」と。ブランドがなくなっていたことは知っていたので、デッドストックとか出てこないかなと探してみると、アメリカのスポーツショップから大量に出てきて。僕たちが思っていたよりも形や柄もいろいろあって「ウォーッ!」と興奮したね。
高橋 : そのデッドストックの100足ほどは、あっという間に完売しました。それで「これは復刻したら行けるかも?」と。往年のアメカジブランドの復刻ブームもきていたので、室町と「SHAKAをなんとか復刻したいね」と真剣に動き始めた。
室町 : SHAKAが南アフリカのブランドだということはわかっていたので、大使館に問い合わせたり、工場が残っていないか探したり。まわりの協力もあって、商標などの利権をクリアにして復活させることが可能になったのが2011年?
高橋 : そうですね。2012年の9月にファーストシーズン、2013年SSの展示会をしたので、2011年から工場を探したり、準備が始まっていました。
室町 : 最初の1~2年は「懐かしい!」というマニアックなバイヤーからのオーダーがほとんどで、低空飛行(笑)。風向きが変わったのは2015年。スポーツサンダルブームが来て、レディースから火が点いたんです。
高橋 : 最初は民族柄など、オリジナルに近いテイストで縛っていましたが、3年目からは「黒とか白を別注でやりたい」という声を受けて、解禁しました。そこから加速していきましたね。レディースのアウトドアサンダルでプラットフォームソールなんてのが、当時なかったので。
室町 : その頃、ちょうどオールブラックのオリジナルSHAKAを見つけたんだよね。それで「黒もありだね」って(笑)。当時はファッションのトレンドもノームコアだったから、モノトーンが売れました。
高橋 : その後もアウトドアやキャンプブームがあって、SHAKAがスポーツサンダルの特集などで紹介されるようになっていきましたね。
室町 : 世の中の流れとマッチしてからはブランドも認知され、さらに広がってセレクトショップなどの取扱店もどんどん増えて、型数もかなり多くなりました。
高橋 : ブランドの10年目が見えてきた2021年頃から、これから先10年をどういうコンセプトでやっていくか?SHAKAの成長のために一度、ブランドを整理しようと室町と話をしはじめました。2020年のコロナ禍は、僕たちにとってとても苦しい時代でしたが、その反動が出てくることを予想して、これからは「旅」が重要になるんじゃないかという結論に達しました。
室町 : それまでは「アーバンアウトドア」というコンセプトを打ち出して、履き心地だけでなくデザイン性も重視してつくってきたので、そこは受け入れられていると。そこからさらに上を目指すために、「旅」を新たなコンセプトに加えて、ブランドをブラッシュアップすることにしたんです。
高橋 : 僕のまわりだけでなく、SNSのコメントなどを見ても、SHAKAを旅に履いていく人は多くて「いろんなシチュエーションで履けるからSHAKA一足で十分」という声をたくさんいただいていました。
室町 : 「履きやすい」「長時間履いていても疲れない」「いろんなシチェエーションで使える」という強みをベースにして、さらに進化したSHAKAを証明するため、またリニューアルを象徴するフラッグシップモデルをつくるためにEXソールを開発しました。
高橋 : 新生SHAKAを象徴するプロダクトとして、2023年SSにEXソールを搭載したチルアウトEX、ネオバンジーEXがデビューします。展示会では実際にバイヤーの方々に試着体験していただき、「軽い!」「以前にも増して履きやすい!」と大好評を博しました。
室町 : EXソールはイタリアのエクストラライト社が開発した「エクストラライトソール」をSHAKA用に共同開発したものです。超軽量ソールですが、軽いだけでなく、クッション性、防滑性などにも優れているのが特徴です。メゾンブランドなどがよく使っていますが、カジュアルブランドではまだあまり流通していません。
高橋 : SHAKAを象徴する2モデルに最新のコンセプトを落とし込んだEXソールを搭載することで、より多くの人に新しいシャカを知ってほしい。またこれを履いて旅に出ることで、皆さんの旅がより快適になればと願っています。
室町 : フットベッド部分などは、SHAKAのノウハウをエクストラライトソールに融合しました。その結果、クッション性があって、長時間履いても疲れないEXソールが開発できました。「旅」に履いていくための、最高のサンダルができたと自負しております。
02. EXソールを体験する「旅」イベントで魅力を拡散
高橋 : SHAKAはロゴマークも刷新しました。地球を表す丸の上を山のようにカットして、その下に道を描くことでアウトドアとアーバンをつなげ、「旅」を連想させるようなアイコンにしました。「旅」の魅力は「非日常」を体験できることです。非日常体験では日常に比べて、歩数が増えるということがデータでも証明されています。
室町 : 確かに自然の中や海外とシチュエーションは違っても、旅行は歩くね。
高橋 : フジロックは1日10万歩、ディズニーランドでさえ1日いると2万歩を越えるそうです。イベントでもテーマパークでも、キャンプや国内外の旅行でもSHAKAを履いていくことで、その体験がより充実することを知ってほしいんですよね。今までSHAKA JOURNALやツイッターなどで「旅にSHAKAがいい」ということを発信してきましたが、これからは体験型のイベントでEXソールの魅力を伝えたいと思っています。
室町 : 展示会でもサンプルを各サイズ用意して、実際に履いてもらったら、皆さん「これはスゴいわ」と、感動してくださいましたからね。
高橋 : 旅にもっていく一足にSHAKAを選んでもらうためには、実際に履いてもらうのが一番だと思うんです。長時間履いても疲れないということを実際に体験したら、「旅にはSHAKA」と納得してもらえる。
室町 : デザインやスペックとしてはチルアウトEXもネオバンジーEXも、自信作だからね。
高橋 : 10周年ということもあるので、4月に鎌倉でEXソールを履いて、街を歩いていただく体験型イベントを今、企画しています。最初はメディアやインフルエンサーの方を招いて、チルアウトEXとネオバンジーEXの魅力を体感し、発信していただこうと。6~7月には一般のお客様を招いて、ファンイベントのようなものから後夜祭までからめられたらいいなと思って動いています。
室町 : そういうイベントはどんどんやっていきたいね。
高橋 : これから先の10年は、まず体験してもらうことで伝えていこうと。実際履いてみないとわからないことは多いですからね。鎌倉のイベントでは室町に、新生プロダクトの解説をしてもらう予定です。
室町 : え?(寝耳に水)そうなの?まあSHAKAを拡大する計画を着々と進めているから、都度、いろいろな場でお知らせできるといいな、とは思っていますよ。
高橋 : いろいろと乞うご期待ですね!
ー EX SOLE SERIES
NEO BUNGY EX ¥17,600
CHILL OUT EX ¥17,600