JOURNAL

実力派東京ブランドとのコラボサンダルができるまで

設立から20年を超え、東京ブランドとして独自のスタイルを発信するNATAL DESIGNとG.V.G.V.。2つのブランドとのコラボサンダルが完成しました。それぞれのデザイナーにコラボの経緯や、ブランドの現在の取り組みなどについてインタビュー。



NATAL DESIGN

COLLABORATION MODEL

CHILL OUT SF for NATAL DESIGN



ー LEFT | 塚田浩二さん

NATAL DESIGN デザイナー 
1977年生まれ、東京都出身。1999年にNATAL DESIGNを立ち上げ、グラフィックやデザインを担当。スケートカルチャーをルーツに持ち、楽しんでモノを作ることを心がけている。

ー RIGHT | 後藤伸介さん

NATAL DESIGN デザイナー 
1977年生まれ、東京都出身。大学時代からのドレッドヘアがトレードマーク。バンド活動を経てNATAL DESIGNに参加。バイクとアウトドアが趣味で、ギアの別注や新ジャンルの開拓などを担当。



ギアと同じオリジナルファブリックを採用した自信作


01.後に価値が上がるようなものを作っていきたい

― ブランドを始めたきっかけを教えてください。

後藤 「もともと塚田と僕は中学の同級生です。好きなファッションやカルチャーが共通で、当時から仲がよかった。僕はバンドをやっていたので、漠然と将来一緒に店をやれたらいいね、なんて話をしていました」

塚田 「ファッションの専門学校を卒業したわけでもなく、単純に絵を描くのが好きだったので、仲間内で盛り上がってTシャツを作ったのが最初でした」

― それが1999年。90年代というと裏原宿が盛り上がりはじめた頃ですよね?Tシャツのプリント屋さんができたりして、ブランドを始めやすいムードがありました。

塚田 「そうですね。でも僕たちは東京西部に住んでいたので、その頃のアパレル業界とは接点がなく、試行錯誤しながら洋服を作っていました。その後、新宿に最初の店を出してからアパレル業界に知り合いができて。当時の店は僕が作ったTシャツの他にセレクトした商品も売っていたので、アメリカ西海岸に買い付けにも行きました」

後藤 「店を始めたタイミングで僕もNATAL DESIGNを手伝うようになって、2002年くらいから一緒に西海岸に買い付けに行きました。それで中学時代から好きだったアーティスト、ジム・フィリップスに会いに行ったりして」

― サンタクルーズやインディペンデントのグラフィックを手がけた伝説のアーティストですね。

後藤 「はい、手のひらに口を描いたスクリーミングハンドが有名です」

塚田 「彼が手がけたグラフィックTシャツは僕たちが若い頃、ものすごく高騰していて。デッドストックで2~3万円したんです。そういうのを古着屋で探して買っていました。彼に会って、そのクリエイションを実際に見て、自分も捨てられてしまうようなものではなく、後から価値が上がるようなモノ作りをしたいと思うようになりました」

― アウトドア色が出てきたのはいつ頃からですか?

塚田 「アパレルに本腰を入れたのは2007年か2008年頃ですが、僕らがファッションに目覚めた90年代というのは、アウトドアファッションがブームでした。アメカジショップにパタゴニアが並んでいたような時代で。そういう背景にも自然と影響を受けていると思います」

後藤 「僕がもともとバイクとアウトドアが好きで、テントを積んでバイクで旅をしていました。当時から海外のサイトで面白いものを見つけてはオーダーをしたりしていて、今も別注しているカーミットチェアも、もともとはユーザーとして買っていたことがきっかけです」

― 先見の明があるんですね。

後藤 「ただ単純に好きなだけです。商品をオーダーしたときに刺繍ネームを入れたらそれが間違っていて、クレームをしたところすごく対応が早かった。そういう会社と仕事をしたいと別注のオファーをしたら、やってみましょうと。単純に自分の好きなものを、自分たちのギアで揃えられたらいいなという思いだけです」

塚田 「カーミットチェアも今は日本代理店ができましたが、うちは未だに本社に直接のオーダーが許されています」



02.ギア的なものは専門ブランドとコラボするに限る

CHILL OUT SF for NATAL DESIGN ¥15,730 (4月発売予定)

― 今回のコラボはどういう経緯で実現したのですか?

後藤 「雑誌『GO OUT』の提案で、NATAL DESIGNが公式通販サイトを72時間ジャックするという企画が今年3月にありました。色々なブランドとのコラボグッズを限定販売するというイベントで、そのときに『GO OUT』から『サンダルならSHAKAはいかがですか』と紹介されたんです」

塚田 「それでCHILL OUT SFを見せてもらってコラボを決めたんですが、ストラップが脱着式で取り外せるのがすごくいいよねって」

後藤 「僕たちも家族がいて子どもを連れて川に遊びに行ったりしますが、普段はつっかけとして履けて、アウトドアではストラップを付けて履けば脱げないというのがすごいメリットですよね。普段履きにするサンダルはストラップ付きだとストレスになるんで、取り外せるというのは本当に最高」

CHILL OUT SF for NATAL DESIGN ¥15,730 (CAMOカラーのみ完売済み)

― 『GO OUT』のECサイトで販売した迷彩柄は即完売してしまったそうですね。

塚田 「そうですね。ストライプのほうはこれからの販売になります。NATAL DESIGNは迷彩とストライプのオリジナルファブリックをギアに使っているので、今回もこの2タイプを作りました。ハマリもすごくよかったので、迷彩が即完売と聞いてうれしかったです。ストライプ柄の方はサンダルを横から見たときストライプになるようにこだわって作りました」

後藤 「素材は1000デニールの耐久性のあるナイロンで機能的にもハイスペックに仕上げています」

塚田 「サンダルは過去に1度作りましたが、そのときも専門ブランドへの別注です。やっぱりサンダルはギアだから、耐久テストをクリアしたようなプロダクトのほうが安心できるじゃないですか?デザインはいいけどすぐにダメになって捨てられてしまうようなものでは、NATAL DESIGNのコンセプトに反しますし」



03.これからも自分たちの好きなものをマイペースで

― サンダルをどんな風に合わせたいとか、使いたいとかありますか?

後藤 「展開している水陸両用パンツがあるんですが、それとの相性がいいと思います。街でもアウトドアでも、どちらでもイケます」

― 『GO OUT』で抽選販売されたゴッコ堂のフィギュアも履いていたパンツ。

塚田 「そうです。NATAL DESIGNのロゴパッチがついている…」

後藤 「ソフビは世界的にも有名で、ゴッコ堂はコレクターも多いんですよ。10代の頃からの友人で、そのつながりでNATAL DESIGNともコラボをしています」

― NANGAのロゴが入った鳥もNATAL DESIGNコラボで出ていました。

後藤 「それはNANGAのキャラクターで、僕たちはNANGAのブランディングにも携わっているので、それで一緒に作りました」

― ゴッコ堂のフィギュアが並んでいる回転装置は何なんですか?

後藤 「あれは昨年2月にフランスのMANというファッションの大きな展示会に出店した際に、その時のコレクションを着せて展示したものです。ランウェイショーのようにフィギュアが回るので、友人には『パリでランウェイショーをやってきた』と動画を見せたり」

塚田 「リカちゃん人形の洋服を作っている専門の方に協力していただいて、ジャケットのバックのフラシやポーチ風ポケットなどもかなりこだわって作りました」

― いろんなことをやられているんですね。これからやりたいことはありますか?

塚田 「バイクや車のデザインをしてみたいと思っています」

後藤 「ゴルフとかもね。大手は撤退している中であえてトライしようって。僕はデザインはしませんが、これからも好きなモノを拾ったり、新しいジャンルを開拓したりしていきたいですね」

塚田 「いろんな要素があったほうがデザインは広がるんです。ひとつのことだけ考えているとどんどん小さくなってしまうので。これからも、自分の作りたいものをマイペースに作っていきたいです」



G.V.G.V.

COLLABORATION MODEL

STINGREY PLATFORM for G.V.G.V.




ー MUGさん

G.V.G.V. デザイナー
1971年生まれ、福岡県出身。桑沢デザイン研究所を卒業してk3に入社。1999年にG.V.G.V.のデザイナーに。2003年から東京コレクションでランウェイショーを開催し、2014年春夏からパリの展示会に参加した経歴も。20周年を機にリブランディングを行い、現在は東京をベースにコレクションを発表。


ラクに履けて大人顔のプラットフォームサンダルが完成


 

01.エッジを大切にしながら大人の服へとシフト

― G.V.G.V.はデビューからMUGさんがずっとデザインをされています。

MUG 「G.V.G.V.は代官山のセレクトショップ、grapevine by k3(グレープバイン バイ ケースリー)のオリジナルブランドとしてスタートしました。グレープバインは”葡萄の蔦”のほかに”口込みで広がる”というようなスラングの意味もあって、その頭文字を繰り返してG.V.G.V.というブランド名にしたんです。1999年にスタートしたので、もう21年目です」

― 一時は東京コレクションの常連ブランドとしてランウェイショーを開催したり、海外に出たり、いろいろな歴史があります。ブランドとしての転機はいつですか?

MUG 「最初のショーは単独ではなく、当時k3でセレクトしていたPPQ(ピーピーキュー)というロンドンのブランドが来日して東京でショーを開催したことがあって、そのときに合同で行いました。”グランジ”をテーマにした2002年の秋冬コレクションで、会場は代官山にあったAIR(エアー)というクラブでした。それがきっかけでメディアからも注目されるようになりました」

― ショーをやる前からk3にG.V.G.V.を求める人たちの行列ができていたこともありましたよね。

MUG 「2000年代はファッションに勢いがありました。ヨーロッパに販路を求めてパリの展示会に参加した時代もありましたが、今は日本とアジアに落ち着いています。長くブランドを続けてきて、作っているものと自分の年齢にギャップも感じ始めていたので、20周年をきっかけにリブランディングをしました」

― どんな風に変わったんですか?

MUG 「エッジのあるファッションが好きというスタイルは変わりませんが、もう少し地に足のついた大人に向けての表現をするようになりました。よりコアで服好きの人達のクローゼットを意識してデザインをし、素材やシルエットに今まで以上にこだわっています。昔のように何でも作る時代ではありませんが、オリジナルで染めたりプリントしたり、できる範囲でテキスタイルも作っています」

― 少しマニッシュなムードが、G.V.G.V.の持ち味だと思いますが。

MUG 「そうですね。セットアップのスーツは自分自身の定番であり、生地やデザインを変えて毎シーズン出しています。定番のレースアップのMA-1やミリタリーテイストの物は毎回ありますね」



 

02.形から作ったオリジナルのスライドサンダル

STINGREY PLATFORM for G.V.G.V. ¥16,500(5月発売予定)

― SHAKAのサンダルとの出会いは?

MUG 「3年くらい前にサンダルを探していたときに、インターネットで見つけました。それまで別のメーカーのサンダルを履いていたのですが、ベルクロを留めるパーツが当たって痛かったんです。SHAKAはパーツも当たらず、すごく軽くて履きやかったので愛用していました」

― それでコラボをすることにしたのですか?

MUG 「はい。SHAKAが他社さんとコラボしているのも知っていたので、是非と思い。相談したら形から作っていただけるとのことで、お願いしました。私は意外とアクションが多い物に対して面倒くさがり屋なんです。デザインしていても、削げるところは全部削ぎ落したくなったりして」

― 意外です。

MUG「家を急いで出る時にサンダルのベルトを留める行為もなんとかできないか?と、ずっと思っていました。だから、作るならストラップなしのスライドタイプにしたかった。それでこの形をイチから作っていただいて。トングタイプではありますが、ネオプレンのアッパー部分がホールド感もあるので、パンツにもワンピースにもスーツにも合うんです」

― プラットフォームのソールもG.V.G.V.のこだわりですね。

MUG 「フラットシューズがトレンドになった時にフラットシューズを出したらG.V.G.V.のファンにはあまり響かなくて。基本的にG.V.G.V.の靴はほぼプラットフォームです。このサンダルは厚底でもラストが細くて軽いので、歩きやすく大人っぽく仕上がったと思います。白とかビビッドな色も心惹かれましたが、初回は鉄板の黒と茶色の2色展開にしました」



 

03.できる範囲でサステナブルな取り組みも

― 2021年の春夏コレクションは自粛期間中に作られたということで、いつもとは違う雰囲気がありますね。

MUG 「モルジブやスペインの青空や夕陽、浜辺の写真を転写プリントしたドレスやスカートなどを作りました。今回は明るいものを作りたいと思う気持ちが強かったです。ドレッシーなプリーツスカートやメンズライクなパンツスーツにもこのサンダルはしっくりくるんですよね」

― ほかにもSHAKAで何か作ってみたいものはありますか?

MUG 「SHAKAはサンダルがメインのブランドだから夏のイメージが強いですが、この秋冬はブーツを作ったと伺ったので、ブーツにもトライしたいですね。夏はサンダル、冬はブーツが一番使い勝手が良いと思っています。サステナブルな素材を使った製品があれば、今後はそういったものでコラボもできればと思います」

― G.V.G.V.のコレクションでもサステナブルな取り組みをされているそうですね。

MUG 「今回は “のこり染め”という技法で、葡萄や檜の皮など捨てられてしまうような廃材を使って染めるテキスタイルを作りました。リサイクルやサステナブル素材もいろいろ登場して取り入れたりもしていますが、まだまだコストがかかります。ファッション業界だけでなく、誰しもに関わる問題なので、できることから少しずつやっていこうと思っています」

インラインとは一味違うテキスタイルやデザインで、それぞれのブランドの世界観を落とし込んだコラボサンダル。NATAL DESIGNのストライプサンダルは、シンプルなスタイルに1点投入でスタイリッシュに変身できる華やかさが。G.V.G.V.のサンダルはシンプルだからどんなコーディネートにも合わせやすい万能選手。どちらも完売が予想されるので気になった方はお早めに。

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