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伝統と進化が共存する「SHAKA」のルーツ

南アフリカ共和国で1990年代に誕生したサンダルブランド「SHAKA」。山地や砂漠といった厳しい環境に順応する機能性と、ブランド特有の美しい色柄を落とし込んだウェビングテープが特徴です。そのルーツやブランド復活の経緯、もの作りへの想いをご紹介します。

誇り高きズールー族にインスパイアされる

オリジナルの「SHAKA」が誕生したのは90年代まで遡り、グリップ力の高いアウトソールパターンと、民族調の色柄を取り入れたウェビングテープが特徴でした。ブランドネームはアフリカの一部族である“ズールー族の王”の名前が由来。そして、彼らが使っていたサンダルをモチーフにプロダクトが作られ、盾や槍の絵柄をモチーフにブランドロゴが作られました。強く誇り高い民族であったズールー族に、現地の人々が敬意を持っていたことの表れとも言えます。また南アフリカは険しい山脈や砂漠、河川など厳しい自然に囲まれた国。そのため、堅牢で水陸ともに使用できるサンダルであることを前提に作られました。

民族柄を落とし込んだ美しいグラフィック

「SHAKA」のアイコン的なデザインとして、ウェビングテープにあしらわれた柄があります。色彩豊かな独特の模様は、時代を超越した美しさを感じさせてくれます。ズールー族を含め、南アフリカの民族そのものを想起させるようなこのグラフィックは、現行モデルにも一部継承されています。もうひとつの特徴は、ユニークなアウトソールの形状。まるで鮫の歯のように細かく、土踏まずの部分までびっしりと凹凸が施されていました。これは、あらゆる方向へのグリップを可能にするための工夫。土や砂の上、水辺など様々なシーンで高いグリップ力を実現するソールだったのです。

アウトドアシーンだけでなく、服好きからも注目される存在に

南アフリカのエッセンスを取り入れた「SHAKA」は、90年代後半から日本でも徐々に認知されていきます。ブランドディレクターとして、絶えずシーンの動向に注目してきた室町聡文は話します。「アメカジやストリート、裏原といったファッションのなかで、決してメインストリームではなかったのですが、アウトドアというジャンルも人気が出てきた時代でした。大規模な野外フェスが開催されるようになった頃で、僕も参加していました。現場で『SHAKA』を履いている人を見かけることも多く、当時から注目していたんです」。2000年代初頭に一旦ブランドの歴史に幕を下ろすことになりますが、ユーズド市場では知る人ぞ知るブランドとして価値が高騰。多くの根強いファンが存在していました。

持ち味を生かしつつ、現代にも通ずるブランドへ

10年以上の時が経ち「SHAKA」は再び世に送り出されます。2010年頃から復活に向けて動いていたディレクターの室町が、当時を振り返ります。「個人的に大好きだったブランドでもあったし、再びリリースするのであれば、昔からのファンにも認められる形でないといけないと思いました。再現すべきところは忠実に再現し、僕たちなりの解釈を加えたいなと。懐かしさだけでなく、都会的な空気感を持つブランドにしたいと思ったんです。そのため、最初は南アフリカの大使館に問い合わせをするなど、当時の工場や作り方を徹底的に調べました。並行して過去のアーカイブも積極的に手に入れました。過去のデザインや構造をできるだけ理解しなければ、新しい提案もできないと思ったんです」。そして2013年、満を持して「SHAKA」を復刻。現代的なデザイン提案やさらなる機能性の向上を図り、「SHAKA」らしく新鮮さも感じるブランドに生まれ変わりました。街でもアウトドアシーンでも活躍するサンダルであることを願い、2020年の現在も試行錯誤を繰り返しています。

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